このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
155号 に掲載された記事です

ルアーローテーションの考え方

ひとつのターゲットを追い求める時、ルアーセレクトという課題に突き当たる。1尾だけとにかく釣ればいい時と、長く釣れ続けさせたい時とでは、そのルアーセレクトの方法にも違いがあるはず。

 自然のフィールドでルアーフィッシングを楽しむのだから、当然のことながらその時々にマッチしたルアーセレクトがあるはずだ。そのセレクトに絶対はないだろうけど、ある程度の目安みたいなものが、現在では多くの先輩アングラー達の手によって見えてきている。

 それでは皆さんは、単純にルアーセレクトのパターンを教えて欲しいと聞かれた場合、いとも簡単に回答をすることができるだろうか。ボクの答えはNOだ。

 状況によって刻一刻と変化するフィールドのターゲットには、決まったパターンは存在しない。地域や季節によっても異なるだろうし、同じ狙い方をしているように見えても、操作しているアングラーのクセにマッチしたルアーセレクトでないと、有利にゲームを展開することができないのも、ルアーフィッシングの面白い部分ではないだろうか。

 今回ここでお話しするのは、あくまでもそういった部分をある程度は目をつぶって、ひとつの目安、攻略パターンの参考として理解していただければいいと思う。という訳で、あくまでも全くの初心者の方への、参考になる基本的な部分だけをお話しよう。

 まずはルアーのサイズローテーションだ。前回の話でマッチ・ザ・ベイトの理屈は分かってもらえただろうか。ようするにルアーを本物のその場で捕食されているベイトフィッシュに似せるルアーセレクトのことなのだけど、基本はこの考え方でいいだろう。

 ルアーのサイズローテーションの基本になるのは、このマッチさせたいベイトフィッシュのサイズとして考える。そのサイズのルアーを使って最初は攻めてみて、状況に応じてサイズをチェンジしていくことになる。そのローテーションの順番は、一般的にはサイズを小さくしていくことになる。

 いわゆる反応が悪くなってきているターゲットに対する対策として、ルアーのサイズダウンは一般的に効果が大きいとされている。但し時として、そのベイトフィッシュの中でも大型を捕食しているなら、極端に大きなルアーをキャストしてヒットさせやすくなるケースもある。これはベイトフィッシュが多すぎて、よりルアーの存在をアピールさせたい時に使うセレクトテクニックだ。

 それならベイトフィッシュが分からなかったり、存在すら見えてないような状況での考えをどうするかが気になる。これはターゲットの種類などによっても異なるので、多くの参考書に記されている部分を参考にしてもらいたい。

 次にカラーセレクトだ。カラーセレクトは、まず自分がパイロットとして選びたいカラーを心に決めておくこと。そのターゲットで自分の実績があれば言うことないが、それが決まってなければ一般的な実績で決めておけばいいだろう。

 ルアーフィッシングにおけるルアーの考え方とは、アトラクター的なものと、エサを模したものとに分類される。個人的な意見としては、とにかく釣ることを意識したら、よりナチュラルなカラーを基準に選ぶことにしている。例えばメッキだったら、ブルー系のミノーだ。

 これを基準に、反応が渋くなってきたら、もう少し暗いカラーにしたりする。逆に潮が濁っているとか、マヅメで光量が少なかったら、ベースに金色を入れるとか、クロム系の輝きを持たせたカラーにするのも、個人的には好みの方法だ。

 まあ一般的には派手なカラーを最初に使い、徐々に渋めのナチュラルカラーへとローテーションする。ところがかなり渋いターゲットを相手にするとなったら、最初からそれなりのカラーを使っておきたい。その理由は、必要以上のプレッシャーを与えてしまうからだ。

 ターゲットも釣られることによって命が掛かっており、ルアーに違和感があったらアタックするようなマネはしてこないだろう。より長くヒットを続けるとかを考える前に、今の状況がどちらなのかを判断できるようにしたい。最もそれは慣れと経験が重大な要素であり、始めたばかりのアングラーに判断するのは難しいかもしれない。

 サイズもカラーも、セレクトするのはアングラー自身。そしてアングラー自身がセレクトしたんだという自信を持って使うことが、ヒットへ結びつけるための近道となる。カラーセレクトの最中には、大いに悩んで欲しい。だけどラインに結んだら自信を持って使ってみよう。


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