このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
157号 に掲載された記事です

ルアーフックの研ぎ方

ルアーに付いている重要なパーツといえば、フックが一番に挙げられる。どんなルアーでも、魚を釣り上げるためにはフックが必要だ。一般にルアーのフックは、メーカーで最初からセットされている。

 一部では、ユーザーが交換することを意識して、フック未装着で販売しているものもある。この場合、フックのサイズやウエイトを注意しておかないと、ルアーが設計された本来のアクションが出ない。

 さて、本題に入ろう。今回のテーマは、ルアーにセットされているフックの研ぎ方だ。ルアーを使っていると、魚を釣ったり障害物にこすれたりで、フックの先は甘くなってくる。最初は鋭かったフックポイント(針先)も、徐々に丸くなってしまうのだ。

 丸くなってしまうと、アタリがあってアワセても、掛かりが悪くて苦労させられることも多い。せっかくルアーにアタックしてくれた魚がいても、フッキングまで持ち込めなかったら意味がない。そのためにも、フックポイントはこまめにチェックして、常に鋭いフックの状態を保っておきたいものだ。

 この甘くなってしまったフックポイントを、フックホーンなどと呼ばれている専用の砥石(ヤスリ)で研ぎ仕上げることで、元通りの鋭さを復元することができる。これは使っていくうちに甘くなったフックポイントの仕上げだけではなく、新品状態で最初から甘い仕上げのフックでも、鋭くしてから使うことができるのだ。

 このフックを研ぐためのフックホーンは、いくつかの種類があり、研ごうとしているフックのサイズによっても異なる。小型のフックなら小さめの目が細かいものでいいが、大型フックになるとそれでは研ぎ仕上げることが困難だ。こういった場合には、本格的なヤスリタイプの目が粗いもので最初に研いで、後で目の細かいものを使って仕上げるといいだろう。

 同じタイプのフックホーンでも、パッケージに粗仕上げ、中仕上げ、仕上げといった表記がしてあるものもあるので、それを目安に購入するといいだろう。もちろん裏表の両面がヤスリになっていて、片面で粗仕上げをした後、裏返して本仕上げをすることのできるものもある。

 それではフックホーンの使い方について、簡単に紹介しておこう。商品によっては使い方の説明書きが同封されているが、廉価版にはそういった記述のないものも多い。研ぎ方によって仕上がり具合も違ってしまうので、基本的な考え方と使い方くらいは知っておこう。

 まずはシングルフックの場合を紹介しよう。シングルフックの場合、あまりにも小さいと保持しにくいので、しっかりと持てないほどのフックサイズであれば、研がずに交換してしまうことをオススメする。

 シングルフックでは、軸をしっかりと手で持ち、正面、右サイド、左サイドといった具合に研ぐようにする。このときに絶対守って欲しいのが、砥石を動かす方向だ。どんなフックでも言えることだけど、砥石は必ず針先に向かって動かし、間違っても逆に動かさない。逆に使うと、せっかく研いでいるつもりでも、フックポイントを丸めてしまうことになるからだ。

 それから研ぐ時の回数だ。ボクの場合には、正面を5回、サイドは3回ずつと決めている。人によっては正面を3回、サイドを2回の仕上げでやっているようだ。これはあくまでも目安だけど、これ以上の回数を研いでも鋭くならないようなら、フックホーンがマッチしてないか、ヤスリ部分が目詰まりしている可能性がある。自分が使っているフックホーンの見直しが必要だ。

 トレブルフックの場合には、1本ずつを3回に分けて研いでもいいのだけれど、軸を持って研ぐより、2本を同時に研ぐようにする方法もある。ボクはトレブルフックを研ぐ場合、必ずこの方法を行う。自分の指先も楽だし、何よりそれぞれの研ぎ具合が均一にすることをやりやすくしている。

 最後にちょっとひと言。ボクはあまりフックを研がない。その理由は、中途半端に咥えた状態でフックが刺さるのを嫌うからだ。多少甘くても完全に貫通すればバラシにくいからだ。鋭すぎて半端に刺さるより、自分で確実に貫通させたいのだ。


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