このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
161号 に掲載された記事です

ミノーのテーリングを防ぐ操作

キャスト&リーリングだけのルアーフィッシングなんて・・・、と思っているアングラーにお話したい。ミノーを使ったルアーフィッシング、つまりミノーイングをしていると、いわゆるただ引きだけなんて考えられない。ルアー任せのアクションだけじゃあ、せっかくの楽しさも半減しちゃう。

 ミノーイングを楽しむソルトアングラーだったら、ロッドアクションを駆使したテクニックを楽しんで釣りをしてみたい。トゥイッチングやジャークなどのテクニックで、ターゲットの魚たちを興奮させちゃおうじゃないの!

 ところがこういった激しいロッドアクションを続けていると、どうしても起きてしまう弊害もあるんだよね。扱いなれてるアングラーには気にならないけど、コツを掴めないとテーリングという現象に遭遇してしまうことがある。

 テーリングという言葉を聞いたことがあると思うけど、ほとんどがメタルジグのジギングでの出来事だと勘違いしてないかな。たしかにジギングではテーリングしやすいんだけど、テールフックがアイ側のラインに絡まって逆さになってしまう現象は、ジグだけではない。

 ミノーのトゥイッチでは、キビキビと横へスライドさせる時に、ラインを少し弛ませ気味にする。ロッドアクションを加えた直後は、ラインが張っていると真っ直ぐ泳いできやすい。よほどウォブリングアクションの強いルアーでも使わない限り、見事なアクションはしてくれないだろう。

 だからミノーが自由に向きたい方向へ進むように、トゥイッチを加えた直後にラインスラッグを意図的に与えるようにする。ところがこれをやりすぎると、弛んだラインに動きすぎたミノーのテールフックが引っ掛かってしまうんだ。

 せっかく盛り上がって追ってくる魚をヒットさせようとしても、突然のテーリングは全てを台無しにしちゃう。これがその日のワンチャンスだったなら、とっても悔しい思いをすること間違いなし。そうならないためにも、テーリングの発生は極力防ぎたいもの。

 そこでミノーのテーリング防止対策を、いくつか紹介してみようと思う。まずはタックル面だ。最も重要なのは、ラインの特性ではないかとボクは思っている。柔らかい曲率半径の小さなラインと、腰のある曲率半径の大きいものとを比べると、腰のないものほどテーリングは起きやすいんだ。

 これは単純に、弛んで自由になったラインが、風や潮の流れる影響などでフックと近づく確率が高くなるためだ。これは必要以上に柔らかすぎるラインを避けることで、トラブルはかなり減少するはずだ。柔らかくて軽いという面では、表面コーティングの施されてないPEラインでも、同じ理由でフラフラしてテーリングが起きやすい。

 もうひとつは、ラインの重量を考えておこう。たとえばナイロンラインとフロロラインとでは、フロロラインの方が比重は大きい。だからロッドを叩くようなトゥイッチを加えると、ラインが暴れて慣性で必要以上にルアーが動いてしまう。その結果として、横を向きすぎたルアーのテールフックが絡みやすくなる。

 次にテクニック面だけど、前の方でも書いたことがそのまま言えるだろう。つまり調子に乗って必要以上に動かすと、ミノーは自分が思っている以上に大きく横を向いてしまうんだ。それだけテーリングの発生率は高くなる。

 これをテクニックで防ぐには、とにかく自分が操作しているミノーの動きを、偏光グラスなどを使って確実に把握することだ。普段から使っているタックルバランスで、自分が動かすとどの程度で限度を超えてしまうのか。それをしっかり把握しておかないと、実際のフィールドで後悔することになる。目の前のターゲットに笑われちゃうぞ。


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