このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
162号 に掲載された記事です

メタルジグのテーリングを防ぐ操作

前回はミノーのテーリングを防ぐための、条件やテクニックを紹介した。今回は次に気になるルアーとして、メタルジグで起きるテーリング防止について紹介しよう。最近では陸っぱりでメタルジグを使うアングラーも多くなり、とくに回遊魚狙いのジャークでは悩まされているアングラーも多いようだ。

 メタルジグのテーリングは、ごく一般的なテールフックがあるメタルジグでの話し。最近流行のシングルフックをヘッドアイ側にアシストフックとして装着したメタルジグとしては、また別の問題もある。今回は前者の、一般的なテールフックに話をまとめてお話したい。

 まず最初に、メタルジグのテーリング現象について、どういうときに発生するのかを考えてみよう。テーリング発生のメカニズムを知ることによって、その対策も最適な方法を実施できるようになる。

 メタルジグで陸っぱりからキャスティングをした場合、一般的なリーリングだけでは、テーリングが発生することはない。つまりロッドアクションを加えるときに発生する現象だ。まれに着水のときすでにテーリングしてしまうメタルジグもあるようだが、そういったモノは避けたほうが無難だ。

 キャストしたジグは、フリーフォールまたはカーブフォールで沈められる。このフォールでも、一般的にはテーリング現象の発生することはないだろう。しかしこの状態のメタルジグに対して、ひとたびロッドでアクションを加え始めると、テーリングに悩まされ始める可能性が高くなってくるのだ。

 通常のリーリングでのメタルジグの姿勢は、よほど頭部の重いメタルジグでもない限り、テール下がりの状態で引かれてくる。ところが頭部の重いメタルジグや、ロッドアクションで上下にスイングするようなアクションを持つ場合には、突如としてテーリングが始まってしまう。

 これらはロッド操作などにより、メタルジグの頭部が水平よりも下がってしまうことが原因となっているのだ。たとえばロッドアクションでジャークさせた場合、ジャーク直後には必ず多かれ少なかれラインスラッグが残ってしまう。

 いくらすばやくリーリングで巻き取ったとしても、ロッドアクションとリーリングスピードとでは、その動いた分を吸収するのは難しいものなのだ。だから激しく操作するほどに、テーリングの発生率は高くなると思ってもいいだろう。

 このテーリングを防ぐためには、タックル面だとメタルジグの選定に十分な気を使いたい。テール重心や水平姿勢を維持することができるタイプを選べば、このテーリング現象を減らすことができるのだ。

 これにはラインの抵抗も要因として含まれており、細いラインの方がテーリングは起きやすくなる。その原因は、単純にラインの抵抗が少なくなるからだ。抵抗が大きければジグは水面方向にラインの抵抗を受けている。しかし細いことによって、結果的にメタルジグの頭部が下がりやすくなってしまうのだ。

 そういった意味では、メタルジグのタイプを選べない状況では、ラインを1サイズ太くすることで、その対応がある程度は可能となる。ショックリーダーを太くするだけでも、この抵抗を増やすことは可能だ。

 アングラーのできるテクニックとしては、とにかくロッドアクションのやり方に尽きるだろう。トゥイッチやジャークによるロッドアクションで、極力ラインスラッグを残さないようなタイミングを覚える。

 たとえばジャークでシャクリ上げていったら、ロッドを戻しながらカーブフォールを意識してすばやくリールを巻いていく。この動作をできるだけ素早く、そしてメタルジグの動きに違和感を出さないように流れる操作をすることが重要だ。せっかくのジャークなのに、メリハリがなくなって釣れなければ意味がないのだから。

 あとは時として、誘い上げながら一瞬のステイをさせたいこともあるだろう。そんな状況では、基本的には小刻みなジギングアクションを加えるようにする。そしてコンマ数秒程度の一瞬だけ、ロッドを下げるような動きをさせる。そして再び素早く、メタルジグが沈んでいかないようにジギングのためのロッドアクションを加えるのだ。


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