このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
168号 に掲載された記事です

サーフでランディングする方法は?

皆さん、明けましておめでとうございます。本誌が皆さんのお目にかかる頃には、すでにお正月気分も抜けかけているのではないかな。でもとっくに初釣りは、満面の笑みで済んでいることと思います。今年も1年、新たな気持ちで頑張りましょうねぇ〜!

 さ〜て、新年早々の第1弾は、サーフでのランディングについて話してみようと思う。特にシーバスやヒラメを狙うアングラーは、今こそが冬の忙しいときじゃないかな。サーフではこれから回遊中のシーバスはもちろん、接岸している大型ヒラメに出会えるチャンスだ。

 だけどサーフで魚をヒットさせても、慣れてないとランディングで失敗しちゃうアングラーも多いらしいね。その理由として挙げられているのが、寄せ波と引き波でやり取りが難しいってこと。

 このとき注意して欲しいのは、最初からウエーディングしすぎないこと。あくまでも濡れるのを防ぐだけの役割だと思っていたい。最初から膝上くらいまで立ちこんでいると、予期しない波が来たとき、身動きが取れなくなる危険もあるからだ。

 サーフでの釣りをやるアングラーは、危険なことをやっていると、常に自分自身を戒める気持ちを失わないでもらいたい。自分だけは大丈夫と思っていると、本当に悲しい現実を突きつけられる可能性があるということを絶対に忘れないで!

 さて、サーフのランディングで一般的な方法は2つ。ひとつは寄せ波に乗せるようにして、そのまま引きずり上げる方法だ。これは遠浅で並足が適度に長い場所で有効だ。波裏から深くなっている場所では、魚を浜に打ち上げるだけのパワーがないからだ。

 逆にそういった場所であれば、さほど強烈な波はこないケースが多い。そのような場所や前記の状況でロッドパワーが弱いケースでは、ショックリーダーを持って引きずり上げをフォローする方法が一般にやられている。

 ショックリーダーを持って引きずり上げるときも、ある程度は波の力を利用したい。その理由は、30ポンド程度のリーダーでも、手で引くことによってロッドと同様のクッション効果が得られなくなるからだ。

 以前、ボクの隣で釣っていた仲間も、同じことをやっていた。あわてて寄せ波に向かって走っていき、片手でシーバスを浜に押し付けて、肘から先と顔に波をかぶっていた。

 シーバスは逃さずにキャッチできたけど、突然の行動には隣にいても引き止めることはできない。場合によっては、その程度のことが引き金となって、足元をすくわれ波にさらわれる危険だってある。そんな危険な目にあうことがないように、正しいランディングを覚えておこう。

 サーフでこの時期に釣れるシーバスは、70〜80cm級が普通に釣れるはずだ。場所によっては、更に大型だって可能性がある。そういったサイズを意識して、事前にランディングの方法は決めておきたい。そしてめったに出会えない大物に失敗したとしても、波に向かって走っていくような行動は慎んだ方が懸命だ。

 それじゃあちょっとだけ、ズリ上げ方のコツを紹介しておこう。まずはダメなやり方を話しておこう。一番キャッチ率の悪いのは、ロッドを立てたまま、もしくは海に向かって真っ直ぐに巻き寄せる方法だ。

 これはロッドの弾力がまったく生きてこなくなるので、ラインブレイクや口切れの可能性が高い。絶対にやってはならない最悪の方法だ。

 それから多く見られるのが、ロッドを真横に寝かせて自分自身が後ろへ下がっていく方法だ。これで上がる程度なら、その方法で上手に波へ乗せながら、そして最後はリーダーを掴んで引きずるのが正解だろうと思う。

 このときのコツとしては、ほんの少しだけ、魚の頭を持ち上げ気味に引っ張っていくことだ。魚の体全体が浜に触れていると、どうしても体表との摩擦で重くなる。これが予想外の太いリーダーでも切ってしまう原因になる。

 最初は慣れるまで何度も失敗するかもしれない。だけど失敗しながら体で覚えることが、難しい条件であるサーフのランディングを上達させる最短距離だと思う。くれぐれもムチャな行動は起こさずに、この寒い季節の釣りを安全に楽しもう。


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