このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
175号 に掲載された記事です

根魚はカケ上がりの裏側を狙え

海水温が上昇してくると、カサゴやムラソイといった根魚たちは、大挙して浅場へと押し寄せてくる。本誌が発売になる頃には、おそらく春の潮へと入れ替わりが終わっているのではないだろうか。

 ライトルアーが大好きなアングラーにとっては、願ってもない季節の到来だ。昼間でも手軽に釣れるロックフィッシュが、行く先々でロッドを絞り込んでくれるはず。しかし狙う場所を勘違いしていると、釣れるはずのロックフィッシュも、姿見ずのまま1日が終わってしまう可能性もある。

 そこで今回は、ちょっとしたロックフィッシュ狙いのノウハウを話してみよう。ここで言うロックフィッシュは、ムラソイをメインとして考え、更にはカサゴまで狙っちゃおうというイメージで読んで欲しい。

 まずはロックフィッシュの狙い方を、簡単におさらいしておこう。ロックフィッシュと言うからには、その釣り場は岩や根がある場所になるのは当たり前。特にゴロタ磯などでは、至る所がそのポイントになるのである。

 ロックフィッシュをゴロタ磯で狙う釣り方としては、ワームを使った穴釣りや、ミノーを使った釣り方が知られている。ところがシーズンに突入してしまうと、手軽さをウリとしているだけあって、どこの釣り場もアングラーでいっぱい。自分が狙おうと思っていた場所は、他のアングラーが攻めていった後かも知れないのだ。

 まあそういったケースの対策は別にして、ここでは一般的にどこを狙えば確率が高いのかを話そう。つまり魚影の濃い場所はどこなのか、それを知っておくことによって、初めての釣り場でもロックフィッシュに出会える確率は高くなるんだ。

 水温が上昇してどんどん浅場へと接岸してくるので、より沖に近い場所がロックフィッシュに出会う可能性は高くなるはずだ。しかしロックフィッシュの、特にムラソイに関しては、足首ほどの水深さえあれば釣ることができる。実際に思いも寄らぬ足元の岩陰から、ルアーにアタックしてくる姿に出会う。

 しかし他のアングラーも狙いやすい場所なので、次に補充されてくるはずのロックフィッシュを最初から意識していた方が、結果としては正解だったってことも多い。もっと具体的に言うと、足元を狙うのは最初の手段だけど、反応がなければいつまでも粘るだけムダ。

 そこで目を付けて欲しいのが、沖から補充されるであろうロックフィッシュがいる場所だ。その場所こそが、岸に近い場所にあるカケ上がりの存在だ。捕食場所に適しているゴロタ磯であれば、次に上げてくる潮に乗って、カケ上がりの裏側にいたロックフィッシュは接岸する。つまりカケ上がりの上まで、捕食目的で寄ってきてくれるんだ。

 だからこそカケ上がりの裏側に、捕食に対する活性の高まっているロックフィッシュが潜んでいる可能性が高いのだ。一般のアングラーは、最も狙いやすい手前の足元だけを狙うだろう。だから足元の穴釣りで、ロックフィッシュが入れ食いになるようなケースはマレだ。

 足元を狙って反応がなければ、次に狙う場所はカケ上がりの裏側になる。その理由が分かってもらえただろうか。次回のテーマでは、これに関連する満潮と干潮との関係を追加紹介するので、ここではカケ上がりがロックフィッシュの溜まり場になることを覚えておこう。そしてその裏側こそが、狙いにくいことによって、結果として魚影が濃い状態であることが多いのである。

 このカケ上がりを狙う方法として補足しておくと、アタリをキャッチしやすいタックルバランスが重要になることを知っておきたい。簡単に言ってしまうと、ティップでアタリを感じ取りやすいロッドで、かつ伸びの少ないPEラインを使うことによって、わずかなアタリでアワセができるようにしておきたい。

 注意点としては、カケ上がりの裏側にワームなどを沈めるので、リーダー部分がカケ上がりのエッジに擦れてしまうことだ。こういった場所では、ロッドはちょっと長め、そしてリーダーには太めのフロロを使うこと。そしてカケ上がりを引きずって上らせる操作は、根掛かりを増やすのでやめよう。エッジでは早めの回収を心がけて攻める。


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