このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
176号 に掲載された記事です

満潮干潮の違いによる根魚の狙い方

海には満潮と干潮によって、潮位が変化するという特徴がある。あまり潮の干満を気にしないアングラーがいるかも知れないけれど、実はこの潮の干満こそが、ターゲットをキャッチするための基本中の基本であるとも言える。

 特に今回のテーマでは、根魚を中心にした話を進めようと思う。他の様々なターゲットにも言えることだけど、こと根魚に関しては強く言えることだ。早い話が、根魚に関しては、潮位こそが釣果をあげるためのキーワードであるとも言える。

 今さら言うほどの事でもないけれど、魚は水の中に棲息している。つまり水のある場所でしか、魚は釣ることができないと改めて認識して欲しい。自分が狙いたいポイントに水が無かったら、当然ムラソイやカサゴは釣ることができないのだ。

 さて、そのキーワードである潮位に関してだけど、重要なのは自分が釣りをしたい時に、狙っている魚がどこにいるかだ。ムラソイやカサゴなどの根魚は、潮の干満によって居場所は刻一刻と変化する。前記のように、潮の干満によって水深が変化するからだ。

 少し具体的な話をしてみよう。以前からムラソイの穴釣りなど、手軽に楽しめるロックフィッシュが人気になっている。このムラソイという魚は、かなり浅い場所でも棲息している。カサゴよりも更に浅くても大丈夫で、それゆえに干潮時には潮溜りに取り残されることもある。

 一気に話を進めよう。従来は干潮時に、潮の引いた後に残っている個体を拾い釣りする方法が主流だったのだ。ところがアングラーの急増によって、干潮時のロックフィッシュはいつも狙えるとは限らない。つまり釣られた後には、そこに魚はいないのである。

 だからこそ今までのパターンを打ち破ってみて欲しい。干潮時のゴロタ磯にロックフィッシュを狙うアングラーの姿は多いけれど、ボクはあえてそれを外すことを推奨したいんだ。つまり潮が満ちてきている最中から、満潮に至るまでの釣りで結果を出していきたい。

 これは新たな個体が、上げ潮に乗って接岸してくるからだ。基本的には干潮で沖に離れ、満潮には接岸してくるからだ。魚影の薄くなった場所で釣るよりも、上げ潮による時間差で、より魚影の濃くなったエリアを攻めたい。

 前回のテーマで、カケ上がりの裏側を狙うことを話した。これはどちらかというと干潮時の狙い方で、今回の話としては、満潮時に新たに接岸してくる、活性の高い個体を効率的に釣ろうという戦略だ。

 ロックフィッシュは潮の下げたゴロタというイメージを払拭して、今シーズンは満潮時のゴロタを攻めてみて欲しい。


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