このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
177号 に掲載された記事です

メジャーな根魚ポイントは朝マヅメが重要

今年もいよいよ、本格的な根魚狙いのシーズンに突入だ。ロックフィッシュと呼ばれている彼らは、手軽に釣れることからも人気が高い。それだけどこの岩場に出掛けても、アングラーに出会うことが多い。

 最近では潮の干満にかかわらず、ゴロタ磯を中心に釣り歩くアングラーが多くなってきている。まして雑誌などで紹介されている有名フィールドでは、アングラーが入れ替わり訪れている。これでは釣り上げられたあとを、追うように探っているようなものだ。

 いくら釣りやすいロックフィッシュといえども、いなくなった直後にすぐ沖から補充されているわけではない。当たり前のことだけど、誰かが釣ってしまった後を訪れたとすれば、ほとんど釣れる可能性はないと考えていいだろう。

 マレに探り方が雑で、他の人が探った後でも釣れることがある。しかし通常は、活性の高い時期ほど簡単に釣られてしまう魚なのだ。だからこそ重要なことは、他のアングラーが攻めてない場所を狙うか、自分が先に釣りをすることなんだ。

 前回までの話で、攻め方やポイントの見つけ方、そして潮位によるポイントの選定方法などの話しをしてみた。しかし最も重要なのは、そこに魚が潜んでいることだ。魚がいなければ、いくら釣りが上手でも釣れない。つまり魚のいるポイントを見つけることこそが、釣りを上達させるための極意なのかもしれない。

 最近はポイント紹介が中心となっているケースも多く、それが元にトラブルが起きることもある。他の人が知らない釣り場など、現状の釣りの世界ではあり得ない。まずは自分自身にそう言い聞かせることも、釣りが上達するための要素なのではないかと思う。

 そんな中で、ロックフィッシュの生態を今回は考えてみよう。カサゴを代表とするロックフィッシュは、基本的に夜行性と考えたい。つまり昼間はあまり積極的な行動をしないで、夜の間に捕食を中心とした移動を繰り返す魚ということだ。

 まあムラソイに関しては、ちょっとばかりそれが当てはまらない面もある。しかしあまり人の多い時間帯に、どんどん岩を転々と渡り歩くことはしないだろう。よほど魚影の濃い場所でもない限り、人が近づけば岩の下でジッとしている。

 ここまで話せば分かるように、人の少ない時間帯、そして夜行性を考えた場合、夜の間にそのほとんどが移動しているということになる。そう考えて判断すると、夜が明けた直後という時間帯こそが、岸近くでも最も魚影の濃い時間帯であることが理解できるだろう。そう、朝マヅメこそが、現状ではムラソイなどの場合はゴールデンタイムなのだ。

 特に春先に関して言えば、カサゴだってナイトゲームよりも朝マヅメに釣果が集中するケースも多い。これは産卵行動に関係していると考えられ、ムラソイと同様に春先の浅場で釣れ盛る状況にある。

 だいたいの状況はご理解いただけただろうか。つまり他の人のプレッシャーを受けにくい朝マヅメこそが、接岸しているロックフィッシュを釣りやすい時間帯なのである。しかも夜間があまり釣れないのなら、誰も攻めてない浅場のゴロタ磯に一番乗りできさえすれば、実績ポイントではロックフィッシュを手中におさめたも同然なのだ。

 前回までに色々な内容を話してきたけれど、あくまでも一般的な知識であることも頭に入れておいてもらいたい。最終的な究極のテクニック?としては、やはり他のアングラーよりも、先にポイントに入って釣ることなのだろう。もちろん釣れる時間帯のより早いタイミングだ。

 他の釣りと違って、ゴロタの探り釣りでは場所取りなどは不可能。探り歩く釣りなのだから、適度に広いゴロタ磯であれば、場所取り合戦に悩まされることも少ない。だから自分にとって実績を持っている場所であれば、理想とする条件を無視してでも、早朝からの釣りをオススメしたいものだ。

 昨今の過密状態のフィールドを考えると、他からの情報を鵜呑みにしただけでは釣果を出すことは難しいだろう。他の人よりもちょっとだけの努力(ここでは早起きかな)をするだけで、まったく今までとは違う世界が見えてくる。こういったこともお忘れなく。


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