このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
178号 に掲載された記事です

ナイトエギングを見直そう

ここ数年で一気に盛り上がっているエギングだけど、昼間の異常なまでの盛り上がりにとまどっているケースも多いようだ。アングラーの急増によって、各地ではアオリイカ釣りもしくは、エギングを規制する動きも出てきている。

 たしかに昼間のサイトエギングは面白いけれど、アングラーが多すぎて釣りにならないという現実に直面しているアングラーも、各地で急増しているのではないだろうか。アングラーが多いほど場所は確保しにくくなるから、当然のことながら釣りをできなくて釣果にも恵まれにくくなるだろう。

 ここでちょっと思い出して欲しいのは、本来のエギングはナイトエギングが主流だったこと。つまり昼間は見える分だけアングラーが興奮させられる。だけど釣果の面で考えてみれば、ナイトエギングでも決して負けてなかったはずだ。

 実際のフィールドに出てみると、昼間は相変わらずエギングアングラーがたくさんいる。ところが夜のフィールドでは、それこそ数えるほどしかアングラーに出会わなくなってきている。同じ場所に通っている常連さんがいるくらいで、昼間しかやらないアングラーは、夜のエギングは釣れないと思っているのか?

 今でこそ昼間のエギングでは、ビシバシとシャクリ続ける釣り方が流行している。逆に夜は静かにソフトな釣り方というのが当たり前のように、間違った?定説が作られ始めている。ところが現実にはそうとは言い切れず、ボクが提唱しているノジングでは夜でも激しくエギを操作していた。

 つまりボトムに定位しているアオリイカに対して、激しくロッドを操作することにより、アオリイカを興奮させて活性を高めるというテクニックだ。周囲が静かに誘っているときでも、このテクニックでダントツの釣果を出してきている。

 いかがだろうか。最近主流になっている激しいアクションでも、夜のアオリイカは十分に反応してくれるのだ。昼間のエギングは攻撃的で、夜のエギングは消極的と表現する人もいる。しかし現実にはそうではない。主流の誘い上げる操作だと、アオリイカが浮上して追いかける行為が少ない。それに気づかないと、ボトムをスローでリーリングする方法が正解だと勘違いしてしまう。

 ノジングの場合には、このシャクリ上げるという動作が異なり、あくまでもボトムを基本に操作する部分に特徴がある。つまりスローな釣りでボトムを探っている状況で、なおかつ鋭いシャクリでアオリイカを魅了してくれるのだ。

 これらを考えると、昼間の主流となっている釣り方をちょっと変えてやるだけで、夜のアオリイカにも簡単に出会うことができる。もちろん確実に釣れるのではないけれど、より確率は高くなってくるはずだ。昼間のエギングでエギの動きをイメージできているアングラーならば、エギの動きが見えない夜でも苦はないはずなのだから。

 ナイトエギングが嫌いなアングラーなら、昼間しかやらないのも仕方ない。しかし、エギングをこれからも続けて楽しみたいと感じているのであれば、昼間にこだわらないで釣り続けてみることをオススメしていきたい。せっかく釣り場の空いている夜という時間帯があるのだから、釣果を期待して釣りに出かけてみて欲しい。

 ただしひとつだけお願いがある。海には漁師さん達が仕事をしている場所がある。エギングで有名な多くのポイントは、エビ網が仕掛けてあったりもする。釣りをする前に、事前にそういった現地の状況を調べてから釣りをすることも、これからのアングラーの常識として認識して欲しい。夜だから・・・、という言葉は通用しない。

 これからも釣り場を大切にして、より楽しいエギングを展開していくため、そしてアオリイカという貴重な資源をムダにしないため。アングラーも真剣にそういった面を考えていかなければならないときに来ている。現状を認識して、ナイトエギングを存分に楽しんで欲しい。

 今回でこの連載は終了です。ずっと読み続けて下さった読者の皆様には、本当に感謝いたします。これからも皆さん自身の手でフィールドやターゲットを大切にして、楽しい釣りを続けていきましょう!


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