今回は、地域によるターゲットの大きさの基準の話しをしよう。世間で言わ れている「その魚は大きい」とか、「そんな小さいのリリースだよ」な〜んて 話しって不思議に思ったこと無い? 凄く単純な疑問なんだけど、ショアでもオフショアでも、決まってヤリ玉に 挙げられるのがヒラメ。なるほど、そう言われてみればそうだなぁ・・・って思 った人は、いつもしっかり魚を釣っている人だろうね。 一体どれくらいのサイズに育ってから、ソゲがヒラメに昇格するんだろう。 これって考え始めると不思議でしょうがない。えっ?何でそんなに不思議かっ て? だってそうでしょ!同じサイズのヒラメを釣ったって、ショアから釣ったら ヒラメで、オフショアで釣ったら同じサイズでもソゲって言われる事ってある はずだよね。もちろんその逆だって有る。たまたま30cmくらいの小型が釣れ たりして、船の上ではソゲだなぁ・・・なんて会話だったのに、次の日のスポー ツ新聞にはヒラメになってたり。時にはサイズが大きく化けてる事もあるよう だけど。 初めて釣った人だったら、30cmでもヒラメはヒラメ。ソゲって言われたら、 ちょっと悲しいよね。逆に自分でソゲだと思っていても、「小さくたってヒラ メはヒラメじゃん」って誰かに言われたら、ちょっぴり嬉しくなっちゃうかも 知れない。 結局30cm程度でも、初めて釣った人にとっては価値ある1尾なんだよね。も ちろん大きいのが釣れればその方が嬉しいだろう。ボクだってそう思うよ。 まあ、少なくとも放流事業で成り立っているのが現状のヒラメだとは思ってい る。いくら大きいのが釣れたって、結局は天然物よりも放流した物が育って釣 られている事の方が多い。そんな気がするのはボクだけ何だろうか。 そんなことを考え始めると、放流事業で今でこそ釣りやすくなったヒラメだ けど、大きいの釣ったからってどうなんだろうって気にもなってきてしまう。 そんな事を考えている折り、茨城県のとあるショップへお邪魔したときに興 味深い話題が出た。 一般の陸っぱりルアーマンが、ソゲではなくヒラメと言い切れるサイズとは どれくらいなのかと言う内容の話しなんだ。みんなはどれくらいのサイズが境 だと思う? ちなみに茨城県はヒラメの放流事業が盛んで、ルアーでたくさん釣られてい る数々のヒラメ達も、やはりこの放流事業の結果のようだ。しかも素晴らしい ことに、「30cm以下は放流しよう!」と言う看板が、漁港などの至る所で目に 付く。 たしかに釣ろうと思えば容易に釣れてしまうサイズだけに、このような徹底し た放流事業のアピールは素晴らしいと思う。 そして何よりも凄いのは、何人か出会った人の口からは、かなり大きなサイズ までをソゲと呼んでいる事実だ。全員がそうとは思えないけれど、かなりの人が 同じような反応をしてくれた。 「相模湾や駿河湾で40cm程度のソゲを釣って威張ってるようじゃ、たかが知れ ているネ。60cm以上のをたくさん狙って釣ってから、オレはヒラメを狙ってる んだって言うんだゾッ!」って話しの具合だ。 今年もちょっと前までアイルDBで数多く釣られたヒラメ達は、それこそ60cm オーバーのヒラメと呼ぶにふさわしい魚体だった。 そんなの見せられちゃったら、40〜50cmのヒラメを釣ってても、「オレはヒ ラメを狙ってます」なんて言えなくなっちゃうよね。 今一番ルアーマンを含むアングラーにとって大切なことは、あれは釣っていい けど、これはダメなんて話しじゃない。それよりも、リリースするならどれだけ 魚にダメージを与えないリリースができるかなんじゃないかって。 釣りって所詮は魚という生き物を相手に、人間達が好き勝手に遊んでいるだけ なんだよね。色々な釣りをやっていると、人それぞれに意見の食い違いもある。 ここ数年は、ルアーマンにも食べれる分だけ持ち帰ると言う人が増えてきたよ うな気がする。もちろん幼児虐待ゲームを薦めはしないけど、やっぱり「どうせ 釣るなら楽しく釣ろう!」って気持ちで釣りを楽しみたいのはみんな同じだと思 う。楽しいから釣りをする、釣りを出来ることが嬉しい・・・。そんな気持ちをい つ までも持ち続けてネ! 今回はもうひとつ、面白い話しをしておこう。これも茨城での話しなんだけ ど、 一応オフレコにしてって言われているので残念だけど場所はあかせません。 それは、ある場所でシーバスがルアーでたくさん釣れるという話しなんだ。そ の人の家の庭を通り抜けないと、その超A級ポイントへは入ることができない。 しかも今までルアーに興味が無かったので、全くの手つかず状態だったらしい。 ところが、ある日突然ルアーをキャストしてみたら、自分の家の庭がとんでも ない程のシーバス爆釣ポイントであったという訳なんだ。 聞いた話なんだけど、何たって、40〜50cmの小型は必ず釣れるし、70〜80cm 級だってそこそこの確率で釣れるんだって。シーバス好きな人にはたまらない話 しでしょ。 やっぱり茨城って凄いよね。ヒラメに対する考え方といい、こんな未開の地が まだまだ近場に残っているなんて。ボクの茨城通いもまだまだ続きそうだなぁ。 と言うわけで(何のこっちゃ?!)、「ライトアングラーの放熱98」と言うタイ トルで始めたから、今回でこの連載も終わりにしちゃいます。またチャンスがあ ったら、楽しいコラムで登場しますね。飽きずに読んでくれた皆さん、本当に有 り難うございました。この後は、AFISのホームページでお会いしましょうネ。 |